国会大図(左)とアメリカ大図(右)の測線


 伊能図の特徴は測量の軌跡を示す測線が描かれていることです。出来る限り海岸線を測量し、それ以外は街道と重なっています。したがって現在の地図に重ねると1810年頃の旧街道が現れることになります。
 我が保土ヶ谷宿を見ると新町橋を渡ったところから国会大図は西へ迂回するルートになっています。このような東海道はありえません。
 また、国会大図は保土ヶ谷道の測線もデフォルメされています。どうも正確に写されいないようです。さらに青○の横に大きく田畑を抽象化したxが描かれていますが、ここは不毛の地です。つまり蛇足。
 芝生追分から境木までの約一里は慶安年間に開削されたものです。また宿場も同時に元町から順次移動してきて新町と呼ばれています。新規に開削された道が迂回するルートになる分けもなく、本陣文書にある絵図もアメリカ大図通りです。
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