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山下居留地遺跡
特色
 横浜市中区山下町に神奈川県が建設した「神奈川芸術劇場」の敷地において、工事に先立つ(財)かながわ考古学財団による本格的遺跡発掘調査の結果、幕末から明治期の旧山下居留地の遺構が多く出土した。敷地内には、旧居留地時代のコッキング商会、イリス商会、モリソン商会など外国商館建物遺構、道路・下水道・ガス管など都市基盤遺構、ガラス杯など当時の外国人の生活を示す出土品など、横浜近代の歴史を物語る遺構が、大規模に、かつ良好な状態で現存していることが判明した。これらの遺構は、慶応2年の大火、大正12年の関東大震災、第2次世界大戦、そしてその後のビル建設などによって、そのほとんどを失った旧山下居留地の様相を今日に伝えることのできる、我が国にとって極めて貴重で稀有な歴史的資産である。この貴重な歴史的資産の価値を正しく検証し、未来へ継承するために、専門家と市民等によって「山下居留地遺跡の価値を考える会」が、2007年12月14日に設立され保存活動を進めた。これを受けて、神奈川県及び事業関係者を加えた保存活動組織「山下居留地遺跡保存活用検討会議」が設立され、充分な価値の検証を行い、遺構の一部が敷地内に保存されることとなった。「山下居留地遺跡」の誕生である。遺構の一部を手がかりに、行き交う馬車や飛び交う外国語など、当時横浜に住んでいた外国人の喧噪を思い描いて欲しい。
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